RICOH GR III レビュー(2)~帰ってきた最強スナップシューター

リコーGRIII…気になっていた描写性能を確認できたのでまずは全体的な印象を書いてみたい

「帰ってきた最強スナップシューター」

まさに”帰ってきた”という表現がピッタリだろう

ご存じのとおりGRシリーズは2013年に画像素子が極小サイズのものからAPS-Cサイズへ大 型化され名称もGR DIGITAL (GRD)からGRへと変わった
画像素子の大型化は多くの人が望んでいたものでそれはそれで歓迎されたが同時にGRDが 持っていたいくつかの特徴がスポイルされてしまった

その1つはボディサイズ
ポケットに入る高画質というコンセプトはかろうじて守られたが若干大きくなってしまった
特に横方向に伸びたことでデザイン的にもGRDほど固まり感がなく間延びした感じになっ たと思う

2つ目は強力なマクロ機能
GR(というかリコーさんのコンデジ)の特徴として他の追随を許さない強力なマクロ機能 がある
当時は1cmマクロとか呼ばれていたと思う GRになって画像素子が大型化され通常モードで30cm マクロモードでも10cmまでしか寄れ なくなった
APS-Cであることを考えればこれでも十分過ぎる性能なんだけど使い慣れたGRDから持ち替 えるとやっぱ寄れないなあ~という感覚だった

今回の新型はこれらすべてをブラッシュアップして登場した
サイズはほぼGRD IVと同じ マクロも通常モードで10cm マクロモードでは6cmまで寄れるようになった
まさにBack to GRDであると思う

と同時に今回の新型はこれまでのGRシリーズを大きく超えてきた
その最たるものは起動速度だと思う
起動速度は製品紹介ページでも”最速0.8秒”とアピールされていたけど 実際使ってみる とマジに驚かされる
電源を入れた瞬間 AFが合焦している…と言うのは流石にオーバーだけど(笑) 要はそれくらい速い
フルプレスシャッターを使うと電源ONとほぼ同時にシャッターを切れる感覚だ

AFも従来のコントラストAF特有の前後に動いて合焦点を探す動作が少なくなってはいるものの僕の中では起動速度の衝撃が大きくAFの改善は少しその陰に隠れてしまったというのが正直な印象だ
電源ONの衝撃はそれくらい凄いのである

この起動速度の速さこそ”最強スナップシューター”たる所以だと思う

-2019.12.10 追記-
GRIIIを約9ヵ月使ってみて「最強のスナップシューター」としての大きな進化について書き忘れていることに気がついた
GRIIIでシリーズ初搭載となった手振れ補正機能である
僕は当初 28mmの広角コンパクトカメラに手振れ補正なんているの?とやや懐疑的ため↑の進化の中で触れなかったんだけど実際日常的に使ってみるとこの手振れ補正がいかに自分の撮影の幅を広げてくれているかに気がつくことになる

当然光量が足りないところではその効果は当たり前であるが 歩きながらの撮影然り あらゆる場面で手振れ写真が激減しているのである
さらにシャッター優先モードでシャッター速度を1/8程度に固定すると普通の手持ち撮影で簡単に流し撮りも出来たりする

あまりに手振れ補正の恩恵が大きかったので当該エントリーに追記した次第

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