Spur Silversalt現像液

ネットで(極限られた人たちの中で(笑))話題となっていた現像液を購入してみた

Spur Silversalt現像液

僕は現像液はずっと超クラシックなkodakのD76を使っていて 巷ではシャープじゃないとかトーンが今ひとつとか色々言われることがあることは知ってるけど 僕的には400TX+D76(1:1希釈)の粒状感をとても心地良く感じているしシャープネスについても特段の不満はなくとても気に入って使っている
しいて不満点をあげれば 粉末を溶かして原液を作る必要があるため 一晩寝かせるという手間がかかる点くらいだろうか

今回 新しい現像液を試そうと思ったのは一言でいうと東京オルタナ写真部のこの記事を読んで「随分この現像液に自信があるんだな~」と感じたことと「この人は随分とD76がお嫌いなんだなぁ~」と思ったからです(笑)

人気があるようで入荷してもすぐに完売となってしまうので何度か機会を逃しつつ 先日ようやく100ml瓶を2本買うことができた
1本で400TXだと7本ぐらい現像出来そうなのでしばらくはこの現像液を試してみたいと思う

*ファーストインプレッション
1本現像してみたのでその感想を少し…
フィルムはいつもの400TX
現像データはSilversalt標準データ(400TX)で現像(希釈:1+20、撹拌:30/60/1 20℃ 13min)

トップと↓の写真が最初の1本の中の2枚なんですが全体的に36枚安定して現像できたと思う
現像に際して特筆して注意することはなく僕の結構適当な現像でも安定した仕上がりとなりました
この点からしてもとても使いやすい(許容度の高い)現像液と言えるのではないでしょうか

気になっていた粒状性はD76よりは粒状感多めに感じますがシャープネスとのバランスは良いように感じます
summaron35/2.8の描写特徴もよく出ており 現像液の使いやすさと相まってこの現像液は僕の中ではかなり好印象な結果となりました

この写真なんかを見るとD76よりシャープで立体感があるように感じます
鉄塔もさることながら雲の立体感もとても良く感じます

ただ 先の記事でSilversaltの店主Tim氏は「D76のような古典的な現像液では粒状性とシャープネスは相反するものであったが現代のこの現像液では相反するものではなく粒状性とシャープネスは両立させることができる」と言ってましたが それをもって今回の現像結果を見てもなお「D76の粒状感はやっぱなかなかいいなぁ~」と感じるのでホントそこまで言い切れるかなぁ~というのが僕の本音です(笑)

デメリットとしてはD76が1本約90円くらいで現像できるのに対しsilversalt現像液は約150円~215円くらいかかります
それに加えてsilversalt現像液は欲しい時にいつでもすぐに手に入るという訳ではなく入荷状況をウォッチしておく必要があったりとD76に比べ入手が難しい点もマイナスポイントです

今後 この現像液で現像した写真を少しアップしていきますのでご興味のある方は見てくださいませ

※250ml瓶を購入した場合

*2020.08.24 追記
2本目を現像した(フィルムは同じ400TX)
やはりとても扱いやすく現像結果も安定している
仕上がりも僕の好みで粒状感とシャープネスのバランスがとても好印象なことも↑のファーストインプレッションと変わらずであった

2本目は現行summilux50/1.4 asph.で撮ったのだけど前回のsummaron35/2.8といい今回のsummilux50/1.4 asph.といいレンズの個性がストレートに現像されていてその点でもこの現像液の素性が良いのがわかる結果となった

想像するに粒状性 コントラスト 諧調性 シャープネス…どれもを強調することなくすべてにおいてバランスよく現像することで 写っているものを素直にネガに写し出してくれrるように思う
そして現像液自体の扱いやすさゆえの安定した現像結果と相まって レンズによる描写の違いなども他の要因に影響されることなくストレートにわかりやすいのだと思う

コストの問題と現像液の調達の問題はあるけど 扱いやすく結果もとても良好…
とても魅力的な現像液だと思う

次は機会を見てフィルムを変えて試してみたいと思う

*2021.01.28 追記
以来ローライのRPX400やイルフォードのHP5 Plus、ブローニフィルム等々 色々現像しましたが このSpur Silversalt現像液はどれも素晴らしい結果で 僕の定番現像液となりました
D76に比べて溶液を作る手間がなく楽なものいいですね

*フィルムと現像にまつわる話はこちら