現像ムラ

現像ムラ(PATERSON Super System4)

この写真 縦に現像の濃淡が出ているのがわかると思う

ブローニーの自家現像では現像ムラに悩ませられている方が多い
実は僕もそのひとり

135フィルムでは何ら問題なく現像できるのに同じやり方でやっても120フィルムだと現像ムラができてしまう
それも上手くいくときもあればダメな時もある感じで今一つ規則性が見つけられない

そんなこともあって僕はブローニーの現像は長い間 とあるお店にお願いしていたのであるが 昨年11月 店主が体調を崩し廃業してしまった(早いし安いしでホント長い間大変お世話になりました)
以来 他店でお願いしたりもしたが やっぱ時間もかかるし面倒だしで135フィルムと同じように自宅で現像したくなり再度チャレンジしてみることにした(こういうチャレンジにはコロナの自粛期間が最適でしたね(笑))

何本かテストフィルムをダメにした甲斐があってようやくコツを掴めてきた

大切なものを撮った120フィルムを現像するにはまだちょっと怖いところもあるけどほぼほぼ大丈夫な感じになったのでこれからは120フィルムも自家現像したいと思う

以下 現像ムラで困っている人への参考事例として今回僕が行った方法を記しておく(マニアックな話なのでフィルム現像に興味がない方は読み飛ばしてください)
また自家現像をやったことがある方ならお分かりかと思うが現像は撹拌のスピードや撹拌していない時の時間、停止・定着液のタイミング・使用方法によっても現像結果に大きな違いが出てくるので あくまで1つの経験談として見ていただければ幸いである

【現像タンク 使用フィルム等】

  • 現像タンク:パターソン スーパーシステム4
  • フィルム:kodak 400TX(120)
  • 現像液:D76 (1:1で希釈) 135…300ml/本 120…500ml/本
  • 液温:20℃

【従来の現像方法】135film

  • 僕はパターソンの現像タンクを使っているので135フィルムの現像時の撹拌は撹拌棒による左右反復回転で行っていたのだけれど 120フィルムで同じようにやった場合は結構な確率で現像ムラができてしまっていた(特にリールの端付近のコマに発生する確率が高い気がする)
  • また現像液を入れてすぐの初期撹拌はいわゆる一般的に言われている30秒の連続撹拌(パターソンの場合は撹拌棒による左右撹拌)
  • その後は30秒毎に5秒の左右回転撹拌で規定時間(10分)まで現像

【今回の現像方法】120film

  • 初期の撹拌は30秒連続撹拌ではなく 撹拌棒で4回左右撹拌
  • タンクの蓋を閉め1分まで放置
  • 10秒で2回の倒立撹拌
  • その後1分毎に10秒で2回の倒立撹拌を繰り返し10分で現像終了

ちなみに135は既に自分の中で現像方法が確立されているので従来通り
120だけこの方法で行う予定

(ご参考)
パターソン スーパーシステム4
世界的に評価されている定番現像タンクのひとつで よく見る?ステンレス製のタンクではなくてタンク リールともにALLプラスチック製なのが特徴

プラスチック製なので劣化もするし薬品での変色もするが ステンレス製のタンクより(現像で一番大事な)液温に影響を及ぼさないメリットがある
このおかげで僕はタンクに現像液を入れた後は特に液温管理はしていない

液剤の注入は最も現像ムラが出来にくいと定評のマスコタンクと同じで中軸から液剤が流れ底から溜まっていくタイプ

その他の長所としては
・リールへのフィルム装填が独特で一般に慣れるまで難しいと言われるリールへのフィルム装填がとても簡単で失敗することがない
・リール タンクとも135フィルムも120ブローニーフィルムも兼用できるので僕のようにライカ&ローライで135も120も使う人はコストパフォーマンスがとても良い

一方短所としては
・ステンレス製に比べ強度が落ちる
・プレスチック性なので劣化する(特に白いプラスチックのリールは薬品による変色が目立つ)
・リールのフィルムサイズの変更は結構力がいるのですが「パキッ」という音が壊した感maxで心臓に悪い
(見た目100円ショップにでも売ってそうなプラスチックのリールなのに2600円もする(笑))
・倒立撹拌する場合はタンクの蓋が閉め辛い(半開きになっていたら液がダダ洩れするので注意)

*フィルムと現像にまつわる話はこちら