ドアノー/音楽/パリ

Bunkamura ザ・ミュージアムで開催されているロベール・ドアノー展「ドアノー/音楽/パリ」に行ってきた

ドアノーの写真展には久しく行っていなくて多分2012年に生誕100年を記念して都写美で行われた展示以来となる

その時にクレヴィスから記念事業として発売された2冊の写真集(第1段、第2段)は掲載されている写真も印刷も素晴らしく 特に第2段として発売されたものは(掲載点数 ページ数は少ないものの)ハードカバー、箱入り装丁という力の入ったものであった

2冊とも今でも機会があるたびに見返す写真集の1つとなっている

オリジナルを観ることができる写真展は当然良いのであるが傍に置いて何度でも素晴らしい作品に触れることができる写真集もこれまたとても良いものだと思う

話を戻して今回のドアノー展はかなり見応えがある展示だった
展示数は出品リストでは176点となっている(資料 引き伸ばしプリント等を除く)

ドアノーが撮ったパリの音楽家に焦点を当てて展示していることもとても面白い試みだったし初めて観る写真も多くとても新鮮であった
ドアノーが流しの演奏家や街で演奏する市井の人々を撮る視線はとても優しく美しいプリントと相まって温かい気持ちにさせてくれる展示だったと思う
ドアノーの人柄にちょっと触れた気分にもさせてもらいつつミュージアムを後にした

個々の作品にについては「流しのピエレット・ドリアン」やまだ有名になる前に偶然撮ったと言われる「サン=ジェルマン=デ=ブレのジュリエット・グレコ」は一度観たら忘れられない写真ではないかと思うが 同時に何度観てもまた心惹かれる写真であり今回もまた「やっぱり良いな〜」と感動した

世界初公開の写真も何点か展示されていた

その中の1枚「オペラ座のキス」はこんな写真がまだ公開されずにいたのかと驚くくらい何か心に残る美しい写真だった

またドアノーが最初に買ったローライフレックス (スタンダード)も展示されていて(僕も一応ローライフレックスを使っているので)興味深くじっくり拝見させていただいた(笑)

このご時世 美術館には平日の早い時間がいい(笑)
ゆっくり鑑賞できる程度の混み具合であったがそれでも想像を上回る人数の方々が訪れていた
休日だとかなり混み合うことが容易に想像できる人気ぶりだったので行かれる方は万全の注意を…(日によっては予約制となるようなのでこの点も確認していただきたい)

最後に残念だったのは図録…
先の生誕100年の記念事業と比べるのは酷ではあるが B6変形とサイズがかなり小さく何だかポケット版の付録のような感じなのだ(ページ数は結構あってそこそこ厚いんだけど…)
初見の写真もかなりあったので一応買ってはきたがこれが2400円と言うのはちょっと高く感じる代物だった(笑)

(トップの写真は初代GRD 文中写真:GR III)