ローライフレックスとライカ、そしてM10-Pの静音シャッターとポートレート(Leica M10-P レビュー)

当たり前だけど同じ時に同じ被写体を撮ってもローライフレックスとライカM10-Pでは出来上がりの写真が大きく違う
フィルムとデジタルの違いだったりレンズの違いだったりフォーマット(120と135)の違いだったり色々だけど それらの違いと同時に撮影のリズムやスタイルが大きく影響しているように思う

ストリートポートレートでは刻々と変わる環境の中で被写体とカメラを通して会話する
呼吸が合わないとやはり写真もしっくりこない

ローライフレックスはお辞儀したスタイルでチッと囁くようなレンズシャッター音とともに12枚…
1枚一枚大きな巻き上げレバーを回し12枚撮ったらフィルム交換タイム…
ピント合わせもライカほど早くなくスローペースで撮影が進む
そこには静の時間が流れているように感じられる

一方ライカM10-Pはストリートスナップに近い形で彼女が自由に動いている間に僕も自由に切り撮っていく
僕は撮る枚数は少ない方だと思うけどそれでもローライフレックスに比べたらレリーズする回数は雲泥の差である
もちろん1対1で対峙して時間を止めて撮ることもあるけど 距離を変え位置を変え少しの会話を交えながらレリーズする
M10-Pの静音シャッターのおかげで彼女は僕がいつレリーズしたのかきっとわかっていないと思う

以前ツイッターでM10-Pのシャッター音が静かすぎてポートレート撮影には向かないといった内容のツイートを見た記憶がある
確かにスタジオでストロボとシャッターのリズムに合わせてモデルの方がポージングを変えるような撮影スタイルだと一眼レフやハッセルのような切れ味のよいシャッター音がした方が良いのかもしれない
しかし 今回のように無音のシャッター音の中でお互いが相手の呼吸に合わせるように撮影するやり方はスタジオとは違うストリートポートレートという撮り方においては それはそれでとても有効であるように感じた
出来上がる写真も自ずと違った写真になる

彼女の感想は今度会ったときに聞いてみようと思う

Leica M10/M10-P 関連レビュー

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